18の歳に「インディアナ・ジョーンズ/最後の聖戦」を観てから、20年以上もずっと憧れていたペトラの遺跡に行って来ました!(我ながらミーハーなとっかかりですが・・・。)
死海リゾートから車で約3時間、地図上ではそんなに離れているように見えないのに、どうしてそんなに時間が掛かるのかと思ったら、海抜マイナス400mの死海から1200mの山を越えての高低差1600mの旅でした。途中の山々を見下ろしながら、ガイドのアフメッドさんは「すばらしいだろう!」と自慢げでしたが、確かにダイナミックではあるものの、美しいという描写は私的には当てはまらない、荒涼とした景色でした。あまり車に強くないので、カーブの多い山道に途中でちょっと気持ち悪くなったこともあり、写真は撮れませんでした。
それより何より驚いたのは道路端にものすごくたくさんゴミが落ちていること。
道路わきのごみたち |
この写真なんかはまだいい方で、所々にゴミ箱のようなものが設置されているにもかかわらず、ペットボトルやらビニール袋やら、うちの近所のゴミ収拾所の方がよっぽど片付いてる!と言うくらい散らばっています。死海リゾート付近はとてもきれいにしてありましたし、ペトラ付近の集落には全くゴミは落ちていなかったので、観光客受けはよくないということはわかっているのでしょうか・・。さすがに失礼かと、アフメッドさんには「なんでこんな散らかしてるんですか?」とは訊けませんでした・・・。
さて、そろそろお尻も痛くなってきたな、という頃、遂にペトラ到着! 「インディ・ジョーンズショップ」始め、小さなお土産やさんの集まる、ちょっとゴミゴミしたエントランスを抜けて、最初の冒険は馬でのシーク(岩の間の細い道)までの移動です。
おみやげ物屋が並ぶエントランス前 |
台の上から馬に乗り込みます |
(注:JOD=ヨルダン・ディナール、2011年12月現在 1JOD=約110円)
馬を移動させるベドウィン達 |
ベドウィンの皆さんはとにかく大人から子供まですごく商売熱心で、片言の日本語を駆使してロバに乗れだの葉書を買えだのお茶を飲めだのしつこく迫って来ます。トイレの外で断ったロバ係の兄ちゃんが、私達が出て来るのを待ってまた最初から勧誘を始めたのにはいらだつのを通り越してちょっと尊敬の念を抱いてしまいました。
ちなみにこの人たちは、25年程前までは遺跡のそこここにあいた墓室に住んでいたのを、ペトラが文化遺産になったのを機に政府が近所に建てたアパートに移住させられたそうです。アフメッドさんによると、施設内に入って物を売ったりロバや馬を使って商売する権利があるのはこの部族だけとのことでした。ホテルの近くで出会ったガイドのおじさんは、その部族の出で、ペトラ内の穴の中で産まれたんだそうです。
一番遠くにある修道院(「地球の歩き方」によると途中にある「博物館」から片道徒歩1時間とのことでしたが、そんなには掛からず、往復で1時間ちょっとでした。但し普段から全然運動していない人はもっと時間が掛かると思います。)へ向かう道の途中にこんな看板があるのですが、その前に2,3人(+2,3ロバ)待ち構えてて「この看板を見ろ! 俺たちのガイド無しでこの先に進んだらどうなっても知らんぞ!」と脅しを掛けて来ます。
Venturing beyond this point without a guide is dangerous と書いてあります。読めますか? |
そんな話はどのガイドブックにも載ってなかったし、アフメッドさんにも何も言われなかったので、無視してずんずん進みました。確かに急な坂道もあり、階段も滑りやすそうだったので用心が必要ではありますが、私達のような素人がそんなとこロバで昇り降りする方がよっぽど危険じゃないのかなあ・・・。自分達で立てたんじゃないだろうか、この看板・・・。
「ヤスイヨ!」「ラクダ!」「スゴーイ!」等々、いろんな日本語を聞かせてもらいましたが、なんと言ってもおかしかったのは若いお兄ちゃん達が言ってた「サラバジャ!」。そんな思い掛けない挨拶を残してひらりと馬首(もしくはロバ首)を返し、颯爽と走り去っていくベドウィン達はなんだか妙にかっこよく、誰か知らんがえらくぴったりなセリフを教えてあげたもんだなあ、と感心しながら見送った私達でした。
急な坂道をすごいスピードで駆け下りるベドウィン |
肝心のペトラ遺跡はどうだったのかと言うと、とにかく「スゴーイ!」の一言につきます。
ペトラで一番有名な『Treasury(宝物殿)』 |
岩のマーブル模様 |
墓室 |
巨大な岩を彫って作られた宝物殿と呼ばれる神殿(ちなみにこの神殿内は観光客がトイレ代わりに使っちゃうので、今は立ち入り禁止になっているそうです・・・。)、アパートみたいに岩にたくさん掘られた墓室、そそり立つ巨大岩の間の細い通路、ピンク・紫・青・赤と様々な色でマーブル模様みたいになった壁や階段等々、どこを見ても私(だけではないはず!)のハートをがっちりキャッチする物件目白押し。
この美しく荘厳な風景は、私の貧弱なボキャブラリーではとても表現しきれません。写真は素人でも結構きれいに撮れますが、やはり迫力的にはずっと落ちてしまいますね。皆様是非観に行って下さい!
ヨルダンは位置関係だけを見て、危険ではないかと避けられがちなようですが、政治的にも安定しているとかで、とても安全な国のように感じられました。事前にホテル・空港送迎等全て手配してあったからかもしれませんが、少なくとも私達は全然危ない目にもあうことなく、親切なヨルダン人達にあちこちで歓迎されて、とても楽しく旅行できました。もし誰かに訊かれたら、自信を持ってお勧め出来るデスティネーションです!
今年はエジプトやシリアの不穏な情勢のとばっちりを受け、日本やアメリカ等遠来の観光客ががたんと減ってしまったとのこと、比較的近いヨーロッパからたくさんのお客が来てくれることを(他人事ながら)祈ってます・・・。
写真の右の人物はガイドのアフメッドさんです。
初めて会った時は「なんだこのヒップホップくずれみたいな兄ちゃんは!」とちょっと心配だったのですが、とても物知りで穏やかな、信頼できるガイドさんでした。大学でフランス語とスペイン語を勉強したとかで、英語のガイドは普段あまりやらないと言ってましたが、語彙も豊富で、耳がいいのか勘がいいのか、私達の希望や質問を最初の一言二言ですぐに理解してくれて、とても助かりました。ちなみにガイドさんのチップの相場は、ガイド一人1日10JODを出せばいいかな、との現地エージェントの指導を受けました。運転手さんへはそれよりちょっと少なく、5JODが目安だそうです。
オマケ
死海で浮くのは思ったより難しい!
私達が泳いだ日は特に波が強めだったせいもあるのでしょうが、うつぶせになっていると自然に足が浮いてきてしまうし、油断しているとすぐに前後に回転してしまいます。私の隣で泳いでいたおじさん(ちょっと太め)は、バランスを崩して頭から水につっこんでしまい、慌てて走ってきたライフガードに「この辺の浅瀬でおとなしくしてなさい!」と叱られた上に冷たいミネラルウォーターを頭からぶっ掛けられていました。
私はなんとかそんな目にはあわずに済みましたが、バランスを取るのに必死で、雑誌の内容は全く頭に入っていません。
12月はヨルダンも冬なんだから寒いよと聞いていたのですが、死海の辺りは一年中かなり温暖とかで、気温20度、水温は22度程度ありました。あーおもしろかった!
(スウェーデン在住 M)
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