まんがのイメージを壊されるのではないかという不安があり、あまり期待せずに見ましたが、思ったよりも面白くて、タンタンの世界(スピルバーグの世界?)に引き込まれてしまいました。アニメでもなく、実写でもなくっていうのも、よかったのかもしれませんね。
さて、この映画、タンタンの地元ベルギーでの評判はどうかと言うと・・・・かなり良かったようです。今までアニメや実写の作品はありましたが、やはり天下のスピルバーグが手がけた作品は別格。これでタンタンの地位も世界的に認められ、ベルギー人も鼻高々、ということではないでしょうか。ブリュッセルで行われたワールドプレミアには、スピルバーグも参加し、市中心の映画館の前の通りが通行止めになって大混乱が起きたとか・・・。
今回の映画で初めてタンタンを知った人も、昔からマンガを読んで親しんでいた人も、ブリュッセルに行ったら、ぜひタンタン関連の場所・博物館・お店を訪ねてみて下さい。
まずはブリュッセル観光の目玉、グランプラスを見たら、小便小僧を目指してずんずん歩いていって下さい。すると右手にこんなウォールアートが・・・・
グランプラスそばのタンタンの壁画 |
タンタン及びその他の人気マンガシリーズの壁画はブリュッセルの各地にあります。
(詳しくはこちら)*タンタンの絵は、このグランプラスのそばと、ThalysやEurostarなどのTGVが到着するブリュッセル南駅(Gare de Midi)の壁画、そして地下鉄Stockelの駅の構内にあります。
小便小僧を見たらUターンして、グランプラスに戻ります。途中、おみやげ物屋を除いたり、いいにおいにつられて、ベルギーワッフルを買ったり・・・。この道沿いにある、Dandoyというビスケット屋さんでもワッフルを売っています。
ワッフルを売るカウンター |
歩きながら食べるなら、ワッフルだけ売っているカウンターがあります。ワッフルの焼ける香ばしいにおいはすきっ腹にはたまらないですね。お腹いっぱいになってしまうので、次の食事に差しさわりのない時間に食べてくださいね。
このお店はもともとビスケット専門店なので、おみやげにベルギー名物Speculaas(スペキュロース)はいかがですか?シナモンなどのスパイスの効いた、ちょっと固めのビスケットです。ベルギーでコーヒーを頼むとソーサーについてくる、あれです。
さて、グランプラスに戻ったら、角にGodivaのある道へ入って下さい。数メートル行くとタンタンショップが見えてきます。
店構えは地味ですが、ちょっと奥まったウィンドーが目を惹きます。
お店の中は、シンプルな造り。マンガや文房具、フィギュアやTシャツ・バッグなど様々なタンタン商品が揃っています。タンタンの製品は、現在では厳しく制限されているため、買えるのはここか空港、そしてマンガ博物館のショップのみです。品揃えからいえば、このショップがだんとつ一番なので、お土産を見るなら是非ここにお立ち寄り下さい。オンラインショップでは売っていないトレーナーやタオルなどもありますよ。ただし、お値段は高め。
ちなみに空港のおもちゃ売り場にもタンタンコーナーがあり、こちらの方がTシャツやマグなど数ユーロずつ安く売っていました。
空港のおもちゃ売り場にあるタンタンコーナー |
ただし、品揃えやサイズなど限られているので、どうしても欲しいものはタンタンショップで買っておくことをおすすめします。
もっとタンタンに興味のある人、スピルーやガストン、ラッキールークやスマーフなどのマンガに興味のある人には、マンガ博物館をおすすめします。
タンタンショップの通りを抜けると、目の前にギャラリー・サンチュベールという歴史のあるアーケードがあります。(入口右側にあるハーゲンダッツが目印です)ギャラリーを抜け、そのまま道なりにまっすぐに進んで、右側3番目の道、Rue des Sablesに入ると左側にマンガ博物館が見えてきます。入口が地味なので、通りすぎてしまわないように気をつけて下さい。
中に入ると、アールヌーボーの華麗な内装で、ちょっと戸惑うかもしれません。
実はこの建物、ベルギーが誇るアールヌーボーの父、ヴィクトール・オルタが設計した建物なんです。もともとは商店だったものを、のちにマンガ博物館に改装したそうです。
入口にタンタンゆかりのオブジェがあり、かろうじてマンガ博物館の体裁を保っています。
展示物は、まんがの原画などが中心ですが、タンタン(エルジェ)の展示はごく一部です。ベルギーのマンガ文化の底辺の広さを感じますね。もしタンタンにだけ興味がある人は、入口横のショップを覗くだけでもいいかもしれません。ここは、マンガの本やフィギュアが中心に売られています。
タンタンだけではなく、本棚にずらっと並んだマンガの数の多さには圧倒されます。タンタンの本を見たことがある人はご存知でしょうが、ベルギーのマンガは日本と違い、絵本のように大なサイズのハードカバーで、中はすべてカラーです。
フランスのアステリクスなど、他の国でも同じようなマンガシリーズ本がありますが、ほとんどはベルギーで印刷されているとか。ベルギーはマンガ大国なんです。
タンタンをはじめ、多くのマンガが、新聞掲載から始まります。4こまマンガじゃなく、見開き(数ページにわたり)カラーでど~んっと。週末にベルギーに滞在される方は、是非『Le Soir』という新聞を買ってみて下さい。りっぱなマンガのページが最後にあるはずですから。特に夏休みの間はページ数が多くなるようです。
いかがでしたか?ブリュッセルの魅力はまだまだ他にもありますが、今回はタンタンに限ってご紹介しました。その他の魅力については、また次回のお楽しみに。
(ストックホルム支店 S)
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