皆さん、ユーロビジョンってご存知ですか?
ヨーロッパ各国から国の代表に選ばれた歌手が一堂に会し、それぞれのオリジナル曲を歌って、参加国の人たちが投票して優勝を決めるという、まさに歌の欧州選手権です。
まずは国の代表を決める予選が各国で行われます。
スウェーデンでは、ユーロビジョンはお年寄りから子供までが毎年楽しみにしている一大イベントなので、年が明けるとすぐに各地区での予選が始まります。(スウェーデン国内では『メロディー・フェスティバル』と呼ばれています。スウェーデン語ですがウェブサイトはこちら)
メロディーフェスティバルのロゴ |
今年は2月1日のマルメ大会を皮切りに4ヶ所で予選が行われ、視聴者の投票で各地区の代表2名が選ばれました。さらに3番目・4番目だった歌手が集まって『Andra Chansen(Second Chance)』大会もあり、各地区代表8名と敗者復活戦を勝ち抜いた2名の合計10名が3月8日に行われたストックホルムでの決勝に出場しました。
スウェーデン代表を決定するファイナルは本番のユーロビジョン顔負けの規模で行われます。今年は昨年に引き続き、2012年にできたばかりの新しいスタジアム『フレンズ・アリーナ』が会場でした。
Melodifestivalen2014のCDを買えば、スウェーデンの国内予選出場の全員の歌を聞けますよ。
さて、スウェーデンの話題はこのくらいにして、本戦のユーロビジョンについてもう少し追加説明します。毎年ルールがちょっとずつルールが変わるので、2014年現在のルールです。
2014年は37カ国が出場します。いちおうヨーロッパの国というくくりですが、欧州放送連合(EBU)に加盟している国に参加権があるので、イスラエルやトルコ、モロッコなどの国からも参加があります。
ユーゴスラビアの分裂、ソ連の崩壊などにより、参加国は2000年から急激に増えましたが、ここにきて財政難などで多少減ってきているようです。
ユーロビジョン参加国の変遷 |
2014年に欧州内で参加していない国はチェコ、スロバキア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ルクセンブルクなどです。主に予算不足や過去の実績不足(自国の歌手が決勝に残れないため)による視聴率の低さなどが理由のようです。
黄色は不参加の国 |
(*注) 5大国がレギュラー出場できるのは、単に財政的な事情だそうです。(大国が抜けてしまうと予算に大きな穴が空いてしまうため)
参加国の国民は、自国以外の国の歌に投票し、順位を決めます。審査員だけでなく電話やテキストメッセージによる視聴者投票も入れて、各国は自分の国で人気だった上位10カ国に1位=12点、2位=10点、3位=8点、4位=7点・・・・10位=1点というふうに点をつけ、番組の最後に各国が順番に自国のトップ10を発表し、出場者は点数を競い合います。一番点数の多かった歌手が優勝を勝ち取ります。
以前はすべての国が中継で10位からひとつずつ読み上げていましたが、参加国が増えたせいでそんな時間がなくなり、最近は10位~4位までは端折って、3位~1位だけ発表するようになりました。
優勝した国は、自動的に翌年の開催国となります。スウェーデンで開催された2013年の大会でデンマーク代表が優勝したので、今年はデンマークでの開催となりました。2013年大会が開かれたマルメと2014年大会のコペンハーゲンは電車で約20分の距離。スウェーデン南部およびコペンハーゲン周辺に住んでいる人たちは、2年連続でライブのショーを見に行けます!きっと大喜びしているスウェーデン人・デンマーク人がたくさんいることでしょう。
そういえば前回スウェーデンで開催された時もデンマーク代表が優勝したような・・・・。スウェーデンでの大会はデンマークにとって縁起がいいんですね。
ストックホルムで行われた2000年の大会で
優勝したデンマーク代表オールセンブラザーズ
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1974年ブライトンでの大会 歌った曲はWaterloo |
ただアバはどちらかというと例外で、過去の優勝者でその他に有名になったのは、1988年大会のスイス代表セリーヌ・ディオンぐらいで、他の優勝者達は一時的に有名になっても残念ながらその後の国際的なキャリアにはつながっていないようです。
1988年スイス代表 セリーヌ・ディオン |
北欧だけでなく東欧の国でもユーロビジョンはかなり人気はあるそうです。それに比べ、毎年出場できる大国での反応はわりと冷ややかなようです。やはり国際的に進出する機会の少ない国の歌手の方が一生懸命になるんでしょうか。
さて、今年の大会は、コペンハーゲンの外の埠頭にあるB&W Hallerne(B&W Halls)で行われます。もともと造船用に作られた建物で、1996年まではこの中で船が建造されていたそうです。今では文化・娯楽イベントに使われていますが、2013年9月にユーロビジョンの会場に決まってからは、
ホール内部だけでなく、会場の周辺も整備して記者会見場などを作り、『ユーロビジョン島』として生まれ変わります!
改装前のB&W Hallerne |
バス以外では、『Nyhavn』から水上バスに乗れば、直接『ユーロビジョン島』に渡れます。
(行き方と地図はこちら)
もしその時期にコペンハーゲンに行く予定の方は、ライブを見に行ってはいかがですか?さすがにファイナルのチケットは売り切れですが、予選や決勝のドレスリハーサルのチケットならまだ入手可能です!
わざわざ出かけなくてもテレビで見ても面白いですよ。友達をたくさん呼んで、各国代表の歌・衣装・ルックス・演出など(がどんなに笑えるか)を酒の肴にみんなでわいわい飲みながら見ていれば、3時間ぐらいのショーはあっという間です。誰が優勝するかの予想もあるので、最後の最後まで楽しめます。
その時期ヨーロッパにいなくても、WebTVで見れるようなので、ぜひぜひライブで楽しんでみてください!(WebTVはこちら)
(ストックホルム支店 S)
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