夏至を過ぎたとは言ってもまだまだ夜10時半ぐらいまでは明るいので、人々はこの季節を思い切り楽しみます。海へ(「山へ」と続けたいところですが、山はありませんから・・・)、サマーハウスへ、海外へと出かけます。
人気の海水浴場ベルビュー海岸 この日はあいにくの天気で人影はまばらでしたが、 いつもは大勢の海水浴客で賑わっています。 |
友達を呼んでバーベキューをしたり、バーゲンセールの時期なので家族で買い物にも行きます。これほどはっきりと季節によって街全体の雰囲気や表情を変えるところを私は他に知りません。(とは言いましたが、それほど多くの町で過ごした経験(比較対象)があるわけではないので、これは言い過ぎですね。)
コペンハーゲンでは7月4日から13日まで10日間、ジャズフェスティバルが行われました。毎年行われていて歴史のある有名な夏の音楽祭であるとは聞いていましたが、私はジャズにはあまり関心がなかったので、これまで参加したことはありませんでした。
市内あちこちの、コンサート会場はもちろん、公園・広場・レストランなどでも、無料または有料で、さまざまの(伝統的・モダン・前衛的)ジャズが聴けます。
ウォーターフロントでのジャズコンサートに集まった人々 |
世界中からたくさんの個人やグループのミュージシャンが集まるそうですが、中には非常に有名な人もいるとか。ジャズ好きの人たちにとってはたまらない10日間らしいですよ。
加えて、6月29日から7月6日まではロスキレ・フェスティバルも行われました。
これもヨーロッパでは知れ渡っている有名なロック音楽祭で、70年代初頭にヒッピーが集まって始めた祭りだそうですから、もう40年以上続いていることになります。
The facade of Roskild Cathedral by Mariusz Pazdziora |
ロスキレというのは、コペンの西40キロぐらいのところにある昔、都だった町です。世界遺産になっているロスキレ大聖堂(これは一見の価値あり)のある町としても有名です。
Photo: Per Lange/Roskilde Festival |
この町のはずれにある広大な広場で毎年この時期に1週間程度開催されているのですが、8~9万人の人々が集まるそうです。これにも毎回世界中から多くのミュージシャンが来るそうですが、今年の目玉はローリングストーンズだったそうです。おじいちゃんグループはいつまでも頑張っていますね。
Wikimedia Commonsより |
トイレやシャワー設備などの不十分な野外で、キャンピングカーやテントで寝泊りして音楽漬けになるのですから若者が中心ではありますが、いわゆる「団塊の世代」(デンマークではこのような言い方は無いだろうと思いますが)ですっかりはまっている人たちも少なくないようです。私はまだ(多分今後も)行ったことはありません。(オシッコは相当問題らしいですよ。男性はもの陰で済ましてしまう人が多いので、テントに引っかけられることもしばしばだと聞きました。)
というわけで、この10日間ぐらいはコペンハーゲンが音楽漬けになると言ってもいいぐらいなのです。実際街に出てみると様々な音楽シーンに出くわします。
コペンハーゲン郊外の街角でも、通りで地元のバンドが 演奏していました。 |
さてそこで、今年は私も初めてジャズコンサートに行ってみました。平林牧子トリオという3人(日本人ピアニスト、デンマーク人のベーシストとドラマー)のコンサートでした。私はまったくのシロートですが、良かったです。一緒に行ったデンマーク人の友人二人もすっかり気に入っていました。
平林牧子トリオが演奏中 |
会場は5~60人で一杯になる(実際いっぱいになってました)比較的小さな会場で、観客は60代、70代の人たちばかりで若い人はいませんでしたが、大いに盛り上がっていました。私も気に入ったので、会場入り口で売っていたCDの中から一つ買って帰りました。
帰ってからCDを取り出して聴きながら、何気なく中にあったジャズ評論家の解説を読んだところによると、平林牧子さんは香港で子供時代を過ごし、高校の途中から日本に戻り、高校・大学を日本で過ごし、その後ボストンのバークリー音楽大学で学んだそうな。現在はデンマーク在住で、北欧・ヨーロッパを中心に活動をしているとのことです。
今回はコペンの音楽祭の話となりました。皆様どうぞお元気で、暑い夏を乗り切ってください。
(デンマーク在住 T)
(上記の記事は、Tさんがご友人・お知り合いに送っているメール便りを、ご本人の承諾を得て、一部変更の上、掲載させていただきました)
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