◎2011年の三大祭り日程
1. バレンシアの火祭り(ラス・ファジャス=Las Fallas)
3月12日(土)~19日(土)
2. セビージャの春祭り(ラ・フェリア=La Feria)
5月3日(火)~5月8日(日)
3. パンプローナの牛追い祭り(サン・フェルミン=San Fermín)
7月7日(木)~7月14日(木)
今日はこれらの三大祭りのうち、バレンシアの火祭りをご紹介します。
3月19日のサン・ホセの日に最終日を迎えるこの祭りは、サン・ホセの火祭りとも呼ばれ、高さ1メートルから20メートル以上にまで達する巨大なFalla(ファッジャ)と呼ばれるモニュメントが街中に設置されます。
ファッジャは、大小さまざま、色とりどりですが、すべて厚紙や木材、ポリウレタンなどの燃やすことのできる素材で出来ています。19日の夜に燃やされるまでバレンシアの広場やメインストリートなどで一般に公開されます。
サン・ホセの火祭りはバレンシアの住民の1年間の情熱の集大成です。これらの傑作を見るために毎年たくさんの人々が街を訪れます。バレンシアの誇りともいえるこのファッジャは修行を積んだ職人たちの手によって造られます。
Fotos cedidas por Agencia Valenciana del Turisme (www.comunitatvalenciana.com)
【写真】木の骨組みの上にカートンととポリウレタンを重ねてつくる張り子人形(ファジャ)。
Fotos cedidas por Agencia Valenciana del Turisme (www.comunitatvalenciana.com)
【写真】 鮮やかな色合がバレンシアの青い空に映えてきれいですね。
ファッジャを構成する一つ一つの人形はNinot(二ノッ)と呼ばれ、最も素晴らしいNinotが毎年コンクールで選出されます。一般部門から一つ、子供部門から一つ選出されたNinotはバレンシア火祭り美術館に展示されており、そこでは18世紀半ばから続くこのお祭りの歴史とモニュメントの変遷を見ることが出来ます。
Fotos cedidas por Agencia Valenciana del Turisme (www.comunitatvalenciana.com)
【写真】 Ninotをバランスよく組み合わせて大きなファジャが造られます。写真のように、中には100以上ものNinotが組み合わされたものもあります。
前にも書いたとおり、ファッジャは木材、厚紙など燃やすことのできる素材から出来ています。どうやって複雑な人形の形を作るのか、そしてどうやって支えられているのか不思議ですよね。どうやら日本の張子人形の原理がヒントになるようです。まずは鋳型となるもの石膏からつくり、そこにぺたぺたと紙を張っていき、乾燥した後に鋳型から張り子部分を取り除くのです。ですので表情豊かなFallaを作るには鋳型作りにおける職人の技が不可欠なのです。
最近ではポリエステルやポリエチレンといった軽くてかつ耐久性のある化学素材が使われるようになり、ファッジャは巨大化、多様化、多色化の一途をたどっています。 Fotos cedidas por Agencia Valenciana del Turisme (www.comunitatvalenciana.com)
祭りの最大の見ものは何と言っても最終日19日の夜に行われるクレマ(Cremá)です。コンクールで一等を取った人形を除きすべての人形が火をつけて焼かれます。夜10時頃に小さな人形に火がつけられ、街が炎の赤色と立ち込める煙の灰色で埋め尽くされます。0時30分にコンクールで2位をとった人形が焼かれ、最後に市庁舎前の広場に置かれたバレンシア市作成の大きな人形が焼かれます。祭りは終にクライマックスを迎えます。中には120,000ユーロ(約1300万円)以上の大金!をかけて作られた人形もあり、それらが惜しげもなく焼き払われる様子はテレビでヨーロッパの多くの都市に放映されます。百聞は一見にしかず、バレンシアの火祭りを見にスペインを訪れてはいかがでしょうか?
★ バレンシアへの行き方
マドリッドから高速鉄道AVEで約1時間40分~50分
★火祭り博物館 (Museo Fallero)
住所: Plaza del Parque Monteolivete, 4
TEL: +34-96-3525-478
入場料: 大人2ユーロ。12歳未満の子供、学生1ユーロ
開館時間: 月曜休館
火曜~土曜 10時~14時、16時半~20時半
日曜、祝祭日 10時~15時
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