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2011年5月30日月曜日

冷戦博物館~ソ連時代にタイムスリップしてみよう~

ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)が崩壊して早20年が経ちますが、日本でも米ソ冷戦時の記憶が強く残っていらっしゃる方が多いことでしょう。

今のロシアは、ソ連という過去を切り捨て、新たに「ロシア」をつくりだすべく、経済を中心に物凄い勢いで「国」としての急成長を遂げています。このような中、今のロシアでは「ソ連時代」の面影を見ることも少なくなってきました。

ですが、最近、「ソ連」を過去のものとせず、今のロシアで一般公開していこうという動きがでてきました。
そのひとつが「冷戦博物館」です。

博物館の模型

モスクワ中心部の東に、白とブルーの彫刻が美しく彩られた構内で有名な地下鉄タガンスカヤ駅があります。 
その駅に隣接した地下60mのところに、スターリンの指示により1950年代秘密の核シェルターと通信基地がつくられました。
ソ連邦が崩壊するまで、実際に使用されていたといわれている秘密基地です。モスクワだけでなく、ロシア各地に、このような秘密基地が多くありました。

 
入口はごく普通の建物。(館内に展示してある模型をご参照ください。教会のとなりにある建物です)



 


入場チケット


そこへ予め予約した見学者が集合し、ガスマスクの写真入り入場許可証(この博物館の入場チケット)が配布され、係員の案内に従って、建物へ入ります。 

係員

  

この係員、ソ連時代の軍服を着ていて、博物館の案内をしてくれるのですが、普通の博物館の案内のように「ようこそ博物館へおいでくださいました。これからご見学いただくのは・・・」という感じではなく、「タヴァーリシ!(同志たちよ)、これから我々が行くのは、特別な場所である。みな心していくように」というような、ソ連時代のような口調で案内を始めます。













このような係員の誘導で、見学者は現実のロシアから、ソ連という過去の世界へタイムスリップ。

 
地下通路へ










薄暗い通路を通って、エレベーターにつきあたると、そこから60m分(18階分)の階段があります。エレベーターは一基しかないので、その見学グループのほとんどは階段で降りていきます。
 





一番下まで降りると、真っ暗な地下通路があり、そこを通って3つの部分から成る秘密の基地へ到着。
まさに、「秘密基地」といった感じです。

通信部屋

途中で冷戦時代の核開発の映像を見たりしながら、通信部屋へ。
 












ガスマスク




ここでは、通信につかわれた機械をはじめ、ガスマスクや防護服、当時のプロパガンダ・ポスターなどが展示されています。  
通信機器








 

  



注目すべきは、これらの展示物に直接触れ、また試着できること。
ガスマスクを装着したり、軍帽を被って記念撮影をしたりして、しばしの時間を過ごし、再び地下通路を進みます。
 
スターリンが使用したといわれるデスクで記念写真


ガスマスク装着


すると突然、係員が「緊急事態発生! みな注意せよ」と叫びだします。
サイレンがなり、真っ暗の通路に赤のランプが点滅します。一部の見学者たちの悲鳴が・・・。

緊急事態を知らせる赤いランプ
しかし、これも見学プログラムの一環。

このようにして、約2時間弱の見学が終了すると、再び18階分の階段を上り、出口へ。

地下通路
 外にでて、空をみると、ようやく「21世紀のロシアに帰ってきたのだ」ということが実感できるのです。

このように、冷戦博物館は、かつてのソ連を身をもって体験できる貴重なところです。
興味のある方は、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

*事前予約が必要で、博物館のガイドは、英語かロシア語のみですので、日本語ガイドをご希望される方は、JTBヨーロッパにご用命ください。

住所:Москва, 5-й Котельнический пер., дом 11
ウェブ↓


http://www.bunker42.com/index.php?lang=en
(モスクワオフィス M)



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