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ロンドン・パリ・アムステルダム・フランクフルト・ローマ・バルセロナ・マドリード・モスクワ・ヘルシンキ・オスロ・ストックホルム・コペンハーゲン・プラハ・ブダペスト在住の私たちが、 新鮮な旅行情報を交代でお知らせします!

2014年4月28日月曜日

ジェンツァーノのインフィオラータ

今年はローマにも春がなかなかやって来ない感じで、暖かくなったと思ったら、急に寒くなったりして、春や夏の季節が非常に待ち遠しい年です。

ローマ近郊でバスで1時間くらいの所にあるジェンツァーノという小さな街では、毎年6月にインフィオラータというお祭りが開かれます。そのお祭りでは、春から初夏に咲き誇る花の花びらを集めて、花びらで小さな街のメイン通りに素晴らしい絵が描かれます。毎年大体素晴らしい天気に恵まれます。


毎年土曜日からお祭りが始まり、月曜日に終ります。今年は6月21日~23日だそうです。
実際には金曜日の朝から一枚一枚の花びらを丁寧に並べながら絵が描かれていきます。
土曜日の午後からはファッションショー等のイベントが開かれ、日曜日のお昼には花びらの絵が完成し、来賓の挨拶などが行われた後、コンサート、宗教的行事が行われます。

現ローマ法王と引退したローマ法王が抱き合うシーンを描いたもの。


ジュゼッペ・ヴェルディを描いたもの。



お祭りの終わりの月曜日の夕方には昔ながらの民族衣装のショーなどが行われ、19時頃ジェンツァーノの子供達が綺麗に描かれた花びらの絵を壊しにかかります。
そして、町の老人達はいくつかの花びらを拾い、押し花等にして思い出として残すのだそうです。


初夏の香りを感じるイタリアらしい行事です。また、ジェンツァーノ等ローマの近郊の街では、”フラスケッタ”と呼ばれる昔ワインの倉等に使っていた場所で、生ハムやサラミ、チーズ、自家製ワインなどを日本の居酒屋感覚で味わえるところがたくさんあります。これがまた安くてとっても美味しいのです。

本格的な夏が始まる前、ローマから一足延ばしてインフィオラータで素晴らしい花びらの芸術作品を堪能し、初夏の香りを感じた後は、とってもカジュアルな”フラスケッタ”でお腹も一杯にするというのも悪くないです。”フラスケッタ”はもちろん夜も遅くまで営業しているので、ローマの人たちは、夏になると夕涼みがてら「今日フラスケッタ行く?」っていう感じにお友達を誘う人も多いのです。

ローマ支店 Y

2014年4月22日火曜日

ユーロビジョン・ソングコンテスト2014 in コペンハーゲン

2014年5月10日(土)にコペンハーゲンで第59回ユーロビジョン・ソングコンテストの決勝が行われます。今年のテーマは『#JoinUs』(ウェブサイトはこちら



皆さん、ユーロビジョンってご存知ですか?

ヨーロッパ各国から国の代表に選ばれた歌手が一堂に会し、それぞれのオリジナル曲を歌って、参加国の人たちが投票して優勝を決めるという、まさに歌の欧州選手権です。

まずは国の代表を決める予選が各国で行われます。

スウェーデンでは、ユーロビジョンはお年寄りから子供までが毎年楽しみにしている一大イベントなので、年が明けるとすぐに各地区での予選が始まります。(スウェーデン国内では『メロディー・フェスティバル』と呼ばれています。スウェーデン語ですがウェブサイトはこちら)


メロディーフェスティバルのロゴ

今年は2月1日のマルメ大会を皮切りに4ヶ所で予選が行われ、視聴者の投票で各地区の代表2名が選ばれました。さらに3番目・4番目だった歌手が集まって『Andra Chansen(Second Chance)』大会もあり、各地区代表8名と敗者復活戦を勝ち抜いた2名の合計10名が3月8日に行われたストックホルムでの決勝に出場しました。

スウェーデン代表を決定するファイナルは本番のユーロビジョン顔負けの規模で行われます。今年は昨年に引き続き、2012年にできたばかりの新しいスタジアム『フレンズ・アリーナ』が会場でした。

3月8日のファイナルで2014年ユーロビジョン・スウェーデン代表はSanna Nielsenに決定しました。


Melodifestivalen2014のCDを買えば、スウェーデンの国内予選出場の全員の歌を聞けますよ。


さて、スウェーデンの話題はこのくらいにして、本戦のユーロビジョンについてもう少し追加説明します。毎年ルールがちょっとずつルールが変わるので、2014年現在のルールです。


2014年は37カ国が出場します。いちおうヨーロッパの国というくくりですが、欧州放送連合(EBU)に加盟している国に参加権があるので、イスラエルやトルコ、モロッコなどの国からも参加があります。

ユーゴスラビアの分裂、ソ連の崩壊などにより、参加国は2000年から急激に増えましたが、ここにきて財政難などで多少減ってきているようです。

ユーロビジョン参加国の変遷

2014年に欧州内で参加していない国はチェコ、スロバキア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ルクセンブルクなどです。主に予算不足や過去の実績不足(自国の歌手が決勝に残れないため)による視聴率の低さなどが理由のようです。

黄色は不参加の国


今年は5月6日(火)と8日(木)に予選が行われ、そこで勝ち抜いた国と主要国5カ国(*注)=英・仏・独・伊・西=および開催国=デンマーク=が5月10日(土)の決勝に出場します。本番のショーは生放送で各国の国営放送が放映します。

(*注) 5大国がレギュラー出場できるのは、単に財政的な事情だそうです。(大国が抜けてしまうと予算に大きな穴が空いてしまうため)

参加国の国民は、自国以外の国の歌に投票し、順位を決めます。審査員だけでなく電話やテキストメッセージによる視聴者投票も入れて、各国は自分の国で人気だった上位10カ国に1位=12点、2位=10点、3位=8点、4位=7点・・・・10位=1点というふうに点をつけ、番組の最後に各国が順番に自国のトップ10を発表し、出場者は点数を競い合います。一番点数の多かった歌手が優勝を勝ち取ります。



以前はすべての国が中継で10位からひとつずつ読み上げていましたが、参加国が増えたせいでそんな時間がなくなり、最近は10位~4位までは端折って、3位~1位だけ発表するようになりました。

優勝した国は、自動的に翌年の開催国となります。スウェーデンで開催された2013年の大会でデンマーク代表が優勝したので、今年はデンマークでの開催となりました。2013年大会が開かれたマルメと2014年大会のコペンハーゲンは電車で約20分の距離。スウェーデン南部およびコペンハーゲン周辺に住んでいる人たちは、2年連続でライブのショーを見に行けます!きっと大喜びしているスウェーデン人・デンマーク人がたくさんいることでしょう。

そういえば前回スウェーデンで開催された時もデンマーク代表が優勝したような・・・・。スウェーデンでの大会はデンマークにとって縁起がいいんですね。

ストックホルムで行われた2000年の大会で
優勝したデンマーク代表オールセンブラザーズ

スウェーデンでは、1974年大会で優勝したアバがその後世界的に有名になったという輝かしい歴史があるので、その過去の栄光を未だに忘れられない(未練というか・・)感があるようです。

1974年ブライトンでの大会 歌った曲はWaterloo

ただアバはどちらかというと例外で、過去の優勝者でその他に有名になったのは、1988年大会のスイス代表セリーヌ・ディオンぐらいで、他の優勝者達は一時的に有名になっても残念ながらその後の国際的なキャリアにはつながっていないようです。

1988年スイス代表 セリーヌ・ディオン

北欧だけでなく東欧の国でもユーロビジョンはかなり人気はあるそうです。それに比べ、毎年出場できる大国での反応はわりと冷ややかなようです。やはり国際的に進出する機会の少ない国の歌手の方が一生懸命になるんでしょうか。


さて、今年の大会は、コペンハーゲンの外の埠頭にあるB&W Hallerne(B&W Halls)で行われます。もともと造船用に作られた建物で、1996年まではこの中で船が建造されていたそうです。今では文化・娯楽イベントに使われていますが、2013年9月にユーロビジョンの会場に決まってからは、
ホール内部だけでなく、会場の周辺も整備して記者会見場などを作り、『ユーロビジョン島』として生まれ変わります!
改装前のB&W Hallerne 
会場へはコペンハーゲン中央駅からバス9Aで行けます。空港から直接行く場合は、地下鉄で『Christianhavn』まで移動してからバス9Aで移動になります。
バス以外では、『Nyhavn』から水上バスに乗れば、直接『ユーロビジョン島』に渡れます。
(行き方と地図はこちら)

もしその時期にコペンハーゲンに行く予定の方は、ライブを見に行ってはいかがですか?さすがにファイナルのチケットは売り切れですが、予選や決勝のドレスリハーサルのチケットならまだ入手可能です!

わざわざ出かけなくてもテレビで見ても面白いですよ。友達をたくさん呼んで、各国代表の歌・衣装・ルックス・演出など(がどんなに笑えるか)を酒の肴にみんなでわいわい飲みながら見ていれば、3時間ぐらいのショーはあっという間です。誰が優勝するかの予想もあるので、最後の最後まで楽しめます。

その時期ヨーロッパにいなくても、WebTVで見れるようなので、ぜひぜひライブで楽しんでみてください!(WebTVはこちら)

(ストックホルム支店 S)

2014年4月14日月曜日

~ロンドンからの日帰り旅行~ ライの町をお散歩してきました!

こんにちはロンドン支店です。みなさん、ライという町をご存知ですか?
ライはロンドンから南に80キロほど下ったところにあります。中世の港町として栄え、
いまもなおその趣を残した小さな町で日本人観光客にはまだまだ馴染みのない響きですが、イギリスで最も美しい街のひとつといわれているライは、ひそかに人気の観光スポット!そこに存在するもののすべてが、おしゃれで可愛らしくて…一度訪れたらすぐ誰かにおすすめしたくなる町です!今回は、そんなライの町に日帰りで行ってきました♪



*ライへの行き方*

ライへの行き方はいくつかありますが、2009年に運行を開始した高速鉄道が、ロンドンのセントパンクラス駅から、乗り換えのアシュフォードインターナショナル駅までわずか45分で繋いでいます。アシュフォード駅で乗り換えた後は約30分でライ駅に到着!ただし、アシュフォードとライを繋ぐ列車は一時間にたった1本です。

そのほか、チャリング・クロス駅やロンドンブリッジ駅、ヴィクトリア駅などからもでていて、いずれもアシュフォード駅で乗り換えが必要です。

今回はヴィクトリア駅から出発!
高速列車を選ばなかったのは、窓からの景色を楽しみたかったからです!
(高速列車はトンネルが多く、景色に期待できないらしい…)

*チケットを買おう*

イギリスの鉄道のチケットには事前購入割引というものがあり、前日の18時までに各鉄道会社のサイトから購入しておくと、かなり安くなります!計画性なく出発した今回の旅では当日にオフピークの往復(return)チケットを購入。31.50ポンドでした。ちなみに片道(single)チケットは、31.40ポンド……… あれ?あまり変わらない。
そうです、帰路の運賃はたった10ポンドということになります!驚きですね。

 チケットブースで片道か往復かを聞かれるので確実に答えましょう
また、週末ならほとんどがオフピークのチケットとなりますが、平日の通勤・退勤時間に重なるとエニータイムチケットとなり割高になるので注意してください。
(イギリスの鉄道には色々な割引システムがあります。チェックしてみてくださいね)


また、割引チケットではない普通のチケットは、座席の指定がありません。あいている席に自由に座ることができます。出発時刻に余裕をもって乗り込んで、テーブル席を確保するのもありですね。

*鉄道からの風景*
ライへの日帰り旅行は、ライに着いてからスタートするわけではありません。
ロンドンのきらびやかな街を離れて15~20分ほどで、別世界が目の前に広がります。
ここがライなんじゃないか!?と錯覚してしまうほど、可愛らしい家々が見えるんです!

馬、羊などがのんびり暮らす草原を眺めながら…        

*アシュフォード駅に到着!*

約1時間30分でアシュフォード駅に到着です!
田舎にある駅にしてはしっかりとした造りです。カフェもあります!トイレもかなりきれいで個室の数も多いので安心です。

さあ、次の列車に乗り換えましょう!……と思ったらあれ?列車がでていない。

どうやらこの日は何らかの理由でライ行きの列車が出ておらず、振り替え輸送としてバスが出ていました!(23分間隔でしたが、時間通りに発車できることは少ないとか)

アシュフォード~ライを結ぶ列車は、遅延することもしばしば。旅にハプニングはつきものです。わからないときは駅のスタッフさんに尋ねるのが一番ですね。

*ライに到着!*

アシュフォードから振り替えのバスで40分弱。普段の列車なら、30分程度でライ駅に到着するそうです。これまた可愛らしい建物がホームの向かいに。

*ライの町を散策*

“散策”という言葉がよく似合うライ。
何か特別大きな建造物があるわけでもないですが、おいしいカフェをはしごするのもいいし、数多くあるアンティークショップではここでしか出会えない素敵な掘り出し物を見つけられるかも。可愛らしい町並みの中を歩くだけでわくわくする、それがライの魅力なのです。

とても小さな町なので、2時間もあれば町をぐるっと一回り散策できちゃいます。かもめの鳴き声が町に響き、ライを飾ります。ランドゲートをくぐって散策は始まります
*ライのお店*

この日は日曜日でしたので、多くのお店が閉まっていました。少し残念…
また、冬は店仕舞いが早く、ほとんどのお店が4時~5時の間にcloseの札をドアに表示してしまいます。これは要注意です!
開いているショップを巡ったところ、ライでしか買うことのできない人魚姫やヨット・かもめなどの、港を想像させる商品が多くそろっていました。マーメイド・インというライで最も有名な老舗宿の名前から、人魚姫のアイテムも増えました。アンティークシップも充実しています。
*ライのかわいい町並み*

ライの表札・看板のかわいさったら、おもわずカメラを構えずにはいられません
それぞれ個性があります。これらは、ライ・ポッテリーという地元の老舗陶芸工場でつくられ、自分の好みで柄を選ぶことができるらしいです!




*ライのカフェ*

ライはとても小さいけれど、カフェやパブが多く、アフタヌーンティーが味わえるお店もあり、食事を楽しむ観光客で賑わいます。

とあるお店で腹ごしらえ♪

スイーツがそろっています。
ライの店員さんは、ロンドンよりもひとりひとりの客に対してとても親切に接してくれる、そんな雰囲気を感じました。それもきっと、ゆったりと時間が流れているここライならではでしょう。

*セント・メアリー教会の時計台に登ろう*
町のシンボルのセント・メアリー教会は、1561年に建造された歴史ある教会です。

時計台に登るには3ポンドかかるそう。(2014年3月現在)
入り口付近に座っているおじさんにお金を渡し、さあいざ時計台へ!!
……と意気込んだ直後に目に入ったのは古びた階段! 
                              

しかもだんだん狭くなって・・・

途中に休憩所(?)的な一室もありましたが、なかなかハードな頂上までの道のりに、なんだか笑いが込み上げてきました(笑)

そしてついに!!!この硬くて重い小さなドアの向こうに・・・・
          
天気がいい日は、本当にいい眺めです!3ポンドの価値があるかを判断するのは、あなた次第。時計台は、驚くほど狭く、足元も少々おぼつかない。撮影には、充分に気をつけましょう!(帰りもあの階段を下りますので、ここで充分な休息を。)

*トイレ*

余談ですが、ライには公衆のトイレがあります。お金をとらない良心的なトイレですが、一緒にライを訪れた友人が、とんだ災難にあいました。

1時間、トイレに閉じ込められたのです!

助けに来た管理のおじさんに聞いたところ、ライは時間に厳しい町なのか、5時を過ぎるとこの公衆トイレも鍵をかけてしまうらしい。トイレを利用する場合は、時計を確認してから入りましょう♪

さてさて、日曜日に訪問してしまったせいでライの町を充分に堪能することはできませんでしたが、みなさまに魅力が伝わっていれば幸いです!ライは、カフェでゆっくりくつろいだりしないのなら、あの有名なカンタベリーとセットで日帰り旅行もできちゃいます。

ロンドンから少し離れ、イギリスの可愛い田舎町に足を運んでみてはいかがですか?

ロンドン支店(A)

2014年4月9日水曜日

マウォ・ポルスカ(小ポーランド)は雨模様。。。

夏時間にもなり、気がつくと外も明るくなってきて春を感じられる今日この頃ですが、
この季節が変わるころの小ポーランド(ポーランド語でマウォ・ポルスカ)は、すっきりしない
天気でした。

クラクフに着いた頃(夕方)は未だ天気が良かったので、まずは中央市場広場に向けて
フロリアンスカ通りを両側の店をみながら進みます。

フロリアンスカ通り
後ろを振り返ると、バルバカンに続く聖フロリアンの門(フロリアンスカ門)が見えます。旧市街を囲む8つあった門の1つで城壁の北側の入り口にあるフロリアンスカ門は、現在でも唯一残っている門です。                                                                                                  門の名前になっている聖フロリアンは、ポーランドの守護聖人であり、また、消防士の守護聖人とされています。聖人は皆、聖持物と呼ばれる、その聖人を認識するなにかがあり、それは世界共通です。聖フロリアンはどのように描かれているでしょうか?
フロリアンスカ門を進んでいくとクラクフの象徴ともいえる、中央市場広場ににつきます。
この広場で目を惹くのはやはり聖母マリア教会でしょう。
ポーランド人にとって精神的な街である古都クラクフにおいて、聖母マリア教会は特別な教会でもあり、2010年にはレフ・カチンスキーと妻のマリアの国葬も行われました。

聖母マリア教会
広場の反対側から

広場を抜けて、さらにグロツカ通りをぶらぶらすると、こちらもポーランド人にとって重要なヴァヴェル城の下にでます。1611年にジグムンド三世ヴァーサ(ヤゲウォ朝断絶後に継いだスウェーデン王朝)がヴァヴェル城の火災をきっかけにワルシャワに遷都するまでの長い間、ポーランドの首都であっただけに歴史的な意義はクラクフ、特にこのヴァヴェル城に集まります。
この日はすでに夕暮れになってしまったので、ヴィスワ川沿いを散歩し遠くからヴァヴェル城を。

ヴァヴェル城に浮かぶ月

 一夜明けると、外は雨でした。。。。
雨でも予定通りアウシュビッツに移動します。
何度も来ている場所ですが、雨での訪問は初めてです。なんとなく雰囲気があって
晴天のときに来るより、趣があるかもしれません。

入り口。有名な門
内部の写真はありませんが、これは実際に行かれて見学をしてください。
また、アウシュビッツを訪れた方は、是非、リトアニア・カウナスの第9要塞も
訪れてみてください。アウシュビッツだけでは分からない、強制収容所という人類の負の遺産に
ついて更に考えさせられることでしょう。


アウシュビッツに近いビルケナウ収容所。
塔の上に登ると、向こうから貨物車で人が
運ばれてきた様子が浮かびます。
監視人はここで見張っていたのでしょうか

 塔の上から見ていた人がいれば、貨物車に乗せられてこの地に着いた人達もいたわけで、彼らの目にはこんな風に映ったかもしれません。
実際の貨物車

午後は雨と風が強くなるなか、ヴィエリチカ岩塩採掘坑を訪れます。
おちょこ傘になるほど雨・風が激しいので、外観を撮影する余裕なく中へ!

何百段もある階段を降りて、さて見学の始まりです。
無料撮影禁止のマークがあったので(実は一部だけだったのですが。。)写真がありません。
隠し撮り的にとったのは、塩の柱です。
なめるとしょぱい塩の柱
ヴィエリチカ岩塩採掘坑は鍾乳洞や洞窟にいる感覚で、非常に楽しく見学できます。
実際の見学まで待てない、という方は下記のヴァーチャル見学でお楽しみを。。。

http://www.wieliczka-saltmine.com/visiting/tourist-route

お土産屋にある岩塩の塊

このブログでも何度も紹介していますヤゲウォ朝(どこの王朝か分かりますよね?)が
発展させたクラクフの町には、建築をはじめ、いたるところにヤゲウォ朝に関するものが
見られます。
ヤゲウォ大学
中欧でカレル大学に続く古い大学。キューリー夫人、コペルニクス、アダム・ミツケビッチ、ヨハネ・パウロ2世などの著名な人が学んだ由緒ある大学。
大学内で最も古い講堂コレギウス・マイウスは現在は博物館になっています。
中庭(→)にいくだけで、当時の様子を伺うことができます。
元はポーランド王カジミェシュ大王が建てた
大学をポーランド女王、聖ヤドヴィカ(ヤゲウォの妻) が寄付をして発展させていきました。



そしてポーランド人にとっては精神的な聖地でもあるヴァヴェル城へ。
お城とはいってもプラハと同じく大聖堂を中心にした、いくつかの建物が建ち並んだ複合建築
です。
雨模様なのであまり綺麗でありませんが。。。  
大聖堂
もとはロマネスク様式で建てられましたが、その後の様々な建築様式で増改築が繰り返され、現在みられる形になっています。
歴代の王の戴冠式や葬儀が行われた由緒ある大聖堂であり、ここにはポーランドにおける重要な人たちが永眠しています。                     

ヤドヴィカの墓
ヤドヴィカは、アンジュー家のハンガリー王・ポーランド王ラヨシュ1世(ルドヴィク1世)の娘として産まれ、父ラヨシュ1世の死去にあたり、10歳の若さでポーランド王(女王ではなく)として戴冠。
若いハプスブルグの王子と婚約していたが、ポーランド・リトアニアの共通の敵ドイツ(ドイツ騎士団)に対抗するため、当時38歳のリトアニア大公ヨガイラ(ポーランド名ヤゲウォ)と結婚し、リトアニア・ポーランド連合王国が誕生。そしてヨガイラガがポーランド王となり、ヤゲウォ朝も始まることになりました。ヤドヴィカは信仰心に篤く、慈善事業や文化事業に力を注ぎ、26歳の若さで死去すると、ローマカトリックによって聖人に列聖されました。
因みに、ポーランドのピヤスト朝最後の王カジミェシュ大王の姉がハンガリー王カルロ1世(フランス・アンジュー家)に嫁いでいた為、ハンガリーとポーランドのつながりがあったのです。

ルネッサンス様式が美しい旧王宮
ルネッサンス様式の旧王宮は、ヤゲウォ朝末期に建てられました。ジグムンド・スタリーはミラノ公国から妃ボナ・スフォルツァを娶り、彼女と一緒にクラクフにきたイタリア人建築家によって建設されました。イタリアのルネッサンス様式ですが、ポーランドの気候に合わせて建設されたところが興味深いです。(さて、どこでしょう?)



ヤゲウォ朝はジグムンド・スタリーの1人息子であるジグムンド・アウグストが世継ぎを
残さず死去したため断絶し、リトアニア・ポーラドはスウェーデンなどヨーロッパの王家に嫁いだジグムンド・スタリーの娘(アウグストの姉妹)の婿によって継がれていくのです。

イタリアの話がでたので、夜はイタリアンに。。。
聖母マリア教会のある中央市場広場には、広場にも席がでるほどレストラン・カフェが軒を並べていますが、広場の北東・フロリアンスカ門までの間には碁盤のような細道に、多くのお洒落なレストラン、カフェ、クラブ、バーがあります。
ミシュラン・ガイドにも紹介されている店も多いようですが、そのうちのひとつに入りました。

トリュフのパスタ
ミネラル・ウォーターの銘柄「KINGA」は、王女であり聖人であるキンガに由来しますが、実はヴィエリチカ岩塩採掘坑と結びつきがあります。
ハンガリー・アールパード朝の王女クネクンダ(キンガはポーランド名)は、ポーランドのボレスワフ5世との婚礼に際し、父親のベーラ4世に塩の塊を求めました。当時ハンガリーでは既に岩塩採掘は行われており、ポーランドにおける塩の価値は非常に高かったからです。ベーラ4世はキンガを岩塩採掘坑に連れて行き、そこでキンガはボレスワフから送られた婚約指輪を投げました。ポーランドに着き、人々に岩にあたるまで深く地面を掘るよう告げると、塩の塊を見つけることができました。この塩の塊を2つに割ると、そこには
ハンガリーの岩塩採掘抗に投げた指輪がありました。

キンガは聖人として列聖されており、聖バルボラと同じく鉱山労働者の守護聖人です。


クラクフをはじめ、マウォ・ポルスカには数々の観光地(この地区だけで世界遺産が6つ!)が
あります。
クラクフに行かれましたら、是非、クラクフ郊外も訪ねてみてください。

(プラハ支店 S)

2014年4月7日月曜日

トーベ・ヤンソン生誕100周年イベント

今年は日本でも親しまれているムーミンを生み出したフィンランド人作家トーベ・ヤンソン(1914-2001)の生誕100周年です。
ヘルシンキを始めフィンランド国内でもこれから夏にかけて様々なイベントが予定されています。
中央駅近くのアネウム美術館にてトーベ・ヤンソン展が始まりました。

ヘルシンキ中央駅からすぐです!

アテネウム美術館に入ったところ



芸術家一家に生まれたトーベ・ヤンソンの彫刻家の父ビクトル・ヤンソン、画家の母シグネ・ハンマルテンなど、家族の作品も見ることができます。
日本では童話作家として知られているヤンソンですが、画家としての作品も1930年代、1940年代にものを中心に展示されています。自画像の変遷を辿って行くのもおもしろいかもしれません。

美術館併設の売店


このトーベ・ヤンソン展は9月7日まで開催されています。ヘルシンキにお越しの際は是非お立ち寄りください!



本屋やデパートにもムーミンコーナーができていますので、覗いてみてください。


***おまけ***
スーパーで見つけたショッピングバッグ
お土産にいかがでしょうか?




・アテネウム美術館 トーベ・ヤンソン展情報(日本語)
http://www.ateneum.fi/files/documents/page/Ateneum_Tove_Jansson_www_JPN.pdf
・トーベ・ヤンソン生誕100周年イベント情報(英語)
http://www.tove100.com/

(ヘルシンキ支店 D)